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横幹講演

 2013年9月11日(水) 13:40~15:40 J 会場(6-301講義室)


Prof. Okada

<講演題目>
 スパースモデリングとデータ駆動科学

<講 師>
 岡田 真人 氏
 東京大学・大学院新領域創成科学研究科 教授

講演概要:
 科学計測技術の進展により,我々は大量の高次元データを手に入れることができるようになりました.計測データの背後にある潜在的な構造である系の特性を,データから系統的に導出する枠組をデータ駆動型科学と呼びます.このデータ駆動型科学において,多種多様な計測機器から得られる高次元データを普遍的に取り扱える枠組は無いでしょうか?
 私たちはそれを,高次元データのスパース性に求めました.スパースとは「疎らな」とか「少数の」という意味です.例えば画像は,JPEGで用いられている離散コサイン変換(DCT)により,ゼロ要素が多いスパースなベクトルに変換され,圧縮できます.DCTは画像の統計的性質を表現しています.これは,データをスパースに表現することで,データの背後に隠されている統計性や物理特性などの潜在的な構造を自動抽出できる可能性を示唆しています.このような枠組みはスパースモデリングと呼ばれています.
 本講演では,生物学や地学などの幅広い分野について,スパースモデリングに基づくデータ駆動科学の実例を紹介させていただきます.

略歴:
 昭和62年~平成元年(株)三菱電機勤務.
 平成3年大阪大学助手,
 平成8年(独)JST ERATO川人学習動態脳プロジェクト研究員,
 平成13年(独)理化学研究所脳科学総合研究センター副チームリーダー,
 平成16年東京大学教授.現在に至る.

 平成14年~18年(独)JST さきがけ「協調と制御」研究員,
 平成20年~26年(独)JST ERATO岡ノ谷情動情報プロジェクトグループリーダーを兼任.




Associate Prof.Asano(Muraki)
Prof.Asano

<講演題目>
 視覚的質感

<講 師>
 浅野(村木) 千恵 氏
 安田女子大学家政学部生活デザイン学科 准教授

 浅野 晃 氏
 関西大学総合情報学部 教授





講演概要:
 視覚的に物体を判断するために,物体形状や色についての情報は重要な問題としてしばしば注目されるが,物体の質感対しては,視覚的にどのような情報をえて判断しているのかという問題については,意外と見落とされがちである。しかし視覚的に得られる質感の情報は,我々が物体の性質を理解して次の行動を起こすときに,大きな影響を与えている。一般的に質感と言うと,その判断は触覚が中心に考えられており,実際に深いところで物質/物体の良し悪しを判断する上で非常重要な感覚である。しかし,実際に「触る」という行動を起こす前に,人間は視覚によって事前に質感を推測するという行動をとっている。そしてその判断は,視覚的な情報だけであるにもかかわらず,様々な触覚的質感を推測している。それは例えば「見た目には柔らかそうな布」というような判断であり,人は,触覚だけでなく視覚によっても質感を知覚しているのである。本講演では,このような視覚的質感に影響を与える情報はどのようなものであるのかについて,感性工学の視点から画像処理と統計学を用い,視覚的質感を定量的に分析してきた我々の研究を紹介する。

略歴:
浅野(村木) 千恵 氏
 平成 6年 3月 奈良女子大学大学院 人間文化研究科 生活環境学専攻博士課程 学位取得.
大学院時代,布の風合いや触感,温熱感などの研究を行う研究室に所属し,それらに関する研究も行っていたが,学位論文としては,それらに関わる繊維素材の基本的な物理特性の解析を中心に行なった.学位取得後,平成 6年 4月から,広島大学 原爆放射能医学研究所 環境情報計量生物研究分野の研究生として,統計学,情報科学に関わる研究を開始した.
 その後,岡山理科大学 総合情報学部 生物地球システム学科 専任講師(平成 9年 4月~平成14年3月),広島大学留学生センター客員研究員(平成18年 4月~平成22年3月),
広島大学大学院 総合科学研究科 非常勤講師(平成19年 4月~平成21年3月)等経た後,
平成21年 4月より ,安田女子大学 家政学部 生活デザイン学科 専任講師として就任.
また,平成25年 4月より, 安田女子大学 家政学部 生活デザイン学科 准教授,同大学院 家政学研究科 准教授を兼担し,現在に至る.その間,感性工学,統計学,情報科学,被服材料学など複合的な視点から研究を続けている.


浅野 晃 氏
 平成4年3月に大阪大学大学院工学研究科応用物理学専攻博士後期課程を修了し,博士(工学)の学位を取得.平成4年4月に九州工業大学情報工学部機械システム工学科助手,平成10年4月に広島大学総合科学部助教授(数理情報科学コース),平成17年7月に同学部教授となり,平成18年4月に同大学大学院工学研究科教授となった.平成23年9月には関西大学総合情報学部に移って教授となり,現在に至っている.
 大学院時代以来,画像処理,とくに非線形画像処理やマセマティカル・モルフォロジの研究を行っている.広島大着任以後は統計学の講義を担当し,統計学を活用した視覚感性科学・医用画像工学の研究も行っているほか,統計学の入門書も出版している.浅野(村木)千恵とは,視覚感性科学の分野で共同研究を進めており,2007年にはInternational Conference on Kansei Engineering and Emotion Research 2007 (KEER2007) でExcellent Paper Awardを共同受賞した.




Associate Prof.Chujo

<講演題目>
 テキストマイニングによるディスクロージャーの分析

<講 師>
 中條 良美 氏
 阪南大学経営情報学部 准教授



講演概要:
 本報告では、テキストマイニングによって経営者の心理にメスを入れること で、記述情報が経済社会において担う役割について考えます。従来の会計研究の 主要な関心は、数値情報が資本市場や企業行動にどのような影響をおよぼすかに おかれていました。しかし、有価証券報告書をはじめ企業が開示する膨大な量の 情報のなかで、数値情報はほんの一角を占めるにすぎません。そのようななか、 テキストマイニングを活用して、記述情報の内容にまで立ち入って検証する必要 性が喚起されてきました。それは、これまで重視されなかった語彙や論調といっ たテキストの属性によって、情報の受け手の行動に変化があらわれるかを確認す る作業であり、いわば市場の合理性に対するチャレンジでもありました。逆に、 情報の発信者である経営者のほうでも、不都合な事実を秘匿したいという要求と、 望ましくない結果の責任を環境に帰する心理の両者に直面しています。ここでは、 テキストマイニングが会計研究に与えた影響をふりかえるとともに、環境報告書 というCSRに関する開示情報にテキストマイニングを実施した結果についてご紹 介します。環境投資は時代のキーワードとなりつつありますが、かかる投資に企 業がどれだけコミットするかは、経営者の環境問題に対する認識に左右されます。 報告書の経営者メッセージに光を当てることで、数値と異なる側面から環境投資 を動機づける要因に迫ります。

略歴:
 2004年名古屋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了、博士(経済学)。
 2004年北陸大学未来創造学部講師、
 2006年阪南大学経営情報学部講師、
 2007年同准教授となり現在に至る。

 2012年から2013年までハルビン商業大学客員研究員。
 2010年より英国ウェールズ大学経営大学院大阪校講師を兼任。
 2006年経営分析学会学会賞を受賞。
 著書に『現代企業論』(共編著、実教出版、2008年)などがある。


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